こんにちは。行政書士の大石です。

被相続人(亡くなった方)の死後、相続人のあなたは遺言書を見つけました。

そこには、

「私の土地と家は妻の花子に相続させる。私の預金1000万円は長男の一郎に相続させる。・・・」

のように書かれています。

さて、遺言書を見つけたあなたは、これから何をすればよいのでしょうか。

もちろん放置するわけにはいきません。

かといって、被相続人の財産を勝手に処分したり、相続人間で分配などしてもいけません。

この記事では、被相続人の死後、遺言書を発見した、もしくは管理を任されていた相続人が行う手続きについてご説明します。

遺言書を見つけた相続人がすること

遺言書が自筆証書遺言秘密証書遺言であった場合には、家庭裁判所での検認という手続きを行わなければなりません。

遺言書の検認を行う目的は、遺言書が本当に本人により作成されたのかを相続人で確認し、遺言書が偽造、変造されないよう、現在の遺言書の状況を証拠として保全することです。

遺言書に書かれたとおりに相続の手続きを行うことを、遺言の執行といいます。

遺言を執行するためには、まず遺言書の検認を受けなければならないのです。

もしも検認を受けずに勝手に遺言を執行した場合、5万円以下の過料に処せられます。

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公正証書遺言の場合には、検認の手続きは不要です。なお、公正証書遺言を探す場合、全国の公証役場にて遺言検索システムが使えます。

戸籍謄本を集めよう

家庭裁判所に検認の申立てをする際、以下の戸籍謄本(または除籍謄本、改製原戸籍謄本)を提出する必要があります。

  • 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

※上記以外にも、必要に応じて書類の提出を求められる場合があります。裁判所の職員から指示があります。

遺言者(被相続人)の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を提出するのは、相続人の全員を特定するためです。

相続人全員の戸籍謄本は、遺言者との関係を証明するために提出します。

検認の申立てをしよう

検認の申立てをするには、検認の申立書と必要書類(戸籍謄本など)を家庭裁判所に提出します。

申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。

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検認の申立て手続き、費用、必要書類、申立書の記載例について詳しく記事にしています。是非ご覧ください。

上記のリンク先の記事で詳しくまとめていますが、検認の申立書には相続人全員の住所を記載する必要があります。

これは、裁判所が相続人の全員に対して、検認に関するお知らせを送付するためです。

申立てをする際、現住所がわからない相続人がいる場合には、その者の戸籍の附票を取り寄せて確認しましょう。

検認の申立てをしてから1,2週間程度すると、家庭裁判所から相続人の全員に対して、検認に関する通知が郵送されてきます。検認を実施する日時、場所などが記載されています。

検認の当日は、相続人の全員が参加する必要はなく、中には不参加の相続人もいます。

検認が終了すると、検認済証明書を申請することができ、これが遺言書に添付されることで、遺言の執行ができるようになるのです。

必要に応じて遺産分割協議をする

遺言があれば、原則は遺言の内容に従って相続手続きを行っていきます。

ですが、相続人の全員が合意すれば、遺言の内容とは異なる遺産分割協議を行うことも可能です。

また、遺言書に記載されなかった財産が発見された場合には、やはり相続人が全員で遺産分割をする必要があります。

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遺言の内容に従わないことはできるのか?について記事にしています。よろしければご覧ください。

まとめ

被相続人が書いた遺言書を発見した場合の、相続人がするべきことについてご説明しました。

自筆証書遺言と秘密証書遺言では検認の手続きが必要です。

検認が遅れるということは、遺言の執行も遅れるということです。遺言の保管を任された、または発見した相続人は、できるだけ早く検認の申立てを行いましょう。