相続手続きを進めていると、戸籍除籍改製原戸籍といったものが必要となる場合があります。

戸籍はよく耳にするのでいいとしても、除籍改製原戸籍って一体何でしょうか?

言葉は難しいですが、実際はそんなに複雑なものではありません。

ここでは、それらの概要を簡単にお話します。

戸籍とは?

戸籍(こせき)とは、日本国民の1人1人について、出生から死亡までに起こる身分事項を記録し、証明するものと言えます。

例えば、人間の出生から死亡までは次のようなことが起こりますよね。

  • 出生
  • 結婚、離婚
  • 子の誕生
  • 死亡

上記の内容を、その人の戸籍に記載することで、管理していくわけです。

また、戸籍は「一の夫婦及びこれと氏を同じくする未婚の子を一つの単位として編成されます。

つまり、夫婦とその未婚の子しか一つの戸籍には入れないということです。

ですので、祖父母、父母、私の3世代が一つの戸籍に入ることはできません。

 

たとえば、父母の戸籍にいる未婚の子が出産した場合(婚姻はしていない)、未婚の子は父母の戸籍から外れ、新たに未婚の子を筆頭者とする戸籍を編製し、生まれた子はその戸籍に入ることになります。

そうでないと、父母、未婚の子、出産した子の3世代が1つの戸籍に入ることになってしまい、これではまずいからです。

除籍とは?

除籍(じょせき)とは、次の2通りの意味で用いられる言葉です。

  • 婚姻や死亡によって、現在の戸籍から外れること
  • 戸籍を編製していた構成員が全員いなくなった戸籍のこと

編製(へんせい)とは、新たに戸籍を作ることをいいます。

つまり、「婚姻や死亡で戸籍から人が抜けること」も除籍ですし、「戸籍の構成員が婚姻や死亡などで誰もいなくなった戸籍」のことも除籍といいます。

また、戸籍は本籍のある市区町村で管理されています。

そこで、本籍を他の市区町村へ移す(転籍)場合、これを管外転籍といいますが、この場合も転籍前の戸籍は除籍となります。

現在の戸籍と、全員いなくなった除籍を一緒に管理するのではややこしいので、除籍は除籍簿に移されることになります。

改製原戸籍とは?

改製原戸籍(かいせいげんこせき)について説明します。「かいせいはらこせき」という呼び方をする場合もあります。

そもそも、現在の戸籍制度の原型は明治5年にできました。

とはいえ、時代の変化に合わせ、何度も戸籍法の改正が行われて、現在に至っています。

具体的には、明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成6年に戸籍法の改正が行われてきました。

 

このように、戸籍制度は法律の改正や命令によって変化します。

それに伴い、戸籍の様式も変わり、新しい形式の戸籍へと変化をとげているのです。これを改製といいます。

現在の戸籍(改製後の戸籍)から見た、改製前の戸籍を「改製原戸籍」というのです。

 

改製内容の一例をご紹介します。

昭和23年の改製による変化としては、それまでの戸籍には「」を一つの単位として、戸主を中心として、孫や甥なども一つの戸籍に含まれました。

しかし改製後の戸籍では「一の夫婦と同氏の未婚の子」を一つの単位として戸籍を編製しています。

つまり、昔の戸籍は、大所帯となっていることが多かったのですね。

まとめ

今回は相続手続きなどでよく耳にする戸籍、除籍、改製原戸籍についてご紹介しました。

名前からして難しいイメージを持ってしまいますが、このとおり、実際はそんなに難しいものではありませんね。

この記事を読まれたことを機会に、少しでも戸籍に興味を持っていただければ幸いです。