戸籍附票って何でしょうか?附票の意味もわかりません。戸籍なのでしょうか?
今回は戸籍の附票についてお話します。
相続を原因とする不動産の所有権移転登記などの手続きで戸籍の附票(戸籍附票)を必要とする場合があります。ですが、いきなり戸籍の附票が必要と言われても、普段なじみのないものなので、困ってしまう方が多いでしょう。
そこで、今回は戸籍の附票の意味と、戸籍謄本との違いを解説していきます。
目次
戸籍附票とは?附票(付票)の意味について
戸籍附票または戸籍の附票について簡単にご説明します。
まず読み方ですが、”こせきのふひょう”と読みます。
続いて「附票(付票)」の意味ですが、三省堂 大辞林では次のように掲載されていました。
付票・附票(ふひょう):荷物などに付ける札。
(出典:三省堂 大辞林)
う~ん、単語の意味だけ見ても、ちっともイメージがわきません。
はい、そうですよね。具体的には次のような意味になります。
では皆さま、住民票ならご存知ですよね。今現在の住所が記載されていますね。
戸籍の附票とは、住民票と同じように住所が記載されており、戸籍とセットで作成されます。戸籍と同様に、戸籍を保管している役所(本籍地の役所)で発行される書類です。
戸籍の附票ができた背景:本籍地でも戸籍上の人物の住所を管理したい
戸籍とはその人の本籍地の役所で管理されています。
戸籍謄本を請求した方ならご存知かと思いますが、戸籍にはその人の住所は記載されません。戸籍に記載されるのは本籍地です。
本籍地は住所地と異なっていても良いので、戸籍からではその方の本籍はわかりますが、今現在の住所地までは特定できないわけですね。
そのため、本籍地でも戸籍上の人物の住所地を記録して管理する必要が生じ、戸籍の附票という資料が作成されたわけです。
戸籍の附票とは、いわば「戸籍そのものではないが、戸籍上の人物の住所について記録した資料」となります。
戸籍の附票とはつまり、本籍地で戸籍と一緒に管理される、戸籍上の人物の住所地をまとめたもの、ということですね。
そうです。戸籍そのものではないけれど、戸籍に添える住所一覧の資料。まさに上で示した附票の意味と近くありませんか?
なお、戸籍の附票の見本を以下の記事で解説しています。イメージがわかない方はぜひご覧ください。
おすすめ【見本あり】戸籍の附票とは何か?住民票との違い、取り寄せ方!戸籍謄本と戸籍の附票は何が違う?
戸籍謄本も戸籍の附票も、どちらも”戸籍”の文字が含まれるので、少し混乱してしまいますね。
戸籍の附票とは、上でご説明しましたとおりです。戸籍とセットで管理され、戸籍には記載されない住所がまとめられています。
では、戸籍謄本との違いは何か?と思われる方もいらっしゃるかと。それは、戸籍謄本が何かを知れば解決されます。
戸籍謄本を簡単に説明すると…
まず戸籍(こせき)とは、日本国民の1人1人について、出生から死亡までに起こる身分事項を記録し、証明するものと言えます。
例えば、人間の出生から死亡までには次のようなことが起こりますよね。
- 出生
- 結婚、離婚
- 子の誕生
- 死亡
これらの事項をその人の戸籍に記載することで、管理していくわけです。
既にお話したとおり、戸籍はその方の本籍地の役所で管理されています。
戸籍謄本の発行をしてもらうと、上記の内容が記載された書類が交付されます。
発行された戸籍謄本には、まず本籍地と戸籍筆頭者の記載があって、その後に上記の身分事項に関する記載が続きます。
戸籍謄本や戸籍抄本、全部事項証明書、個人事項証明書などの違いを知りたい方は、以下の記事でまとめています。
まとめ
以上、戸籍の附票の意味と、戸籍謄本との違いでした。
名前は似ていますが、その中身はまったく違います。
戸籍謄本は出生から死亡までに起こった身分事項を整理した資料で、戸籍の附票は本籍地で管理され、戸籍に記載されない住所情報を整理した資料となります。