戸籍の附票が必要になりました。戸籍の附票って何ですか?またどうやって取り寄せればいいですか?
今回はこのような疑問にお答えします。
戸籍の附票(ふひょう)というものをご存知ですか?
ここでは、戸籍の附票とは何か、住民票とは何が違うのか、戸籍の附票の取り寄せ方についてご説明します。
戸籍の附票とは「住所の履歴書」
戸籍の附票はイメージとしては「住所の履歴書」と言えます。
履歴書には、過去から現在までの学歴や職歴といったものを記載しますよね。戸籍の附票には、住所地の移転の履歴が記載されるのです。
つまり、住所の履歴書と言えるわけですね。
戸籍の附票には主に次の情報が記載されます。
- 戸籍の表示(筆頭者の名前、本籍地)
- 氏名
- 住所
- 住所を定めた年月日
このとおり、戸籍の附票には、「戸籍」の情報(筆頭者の名前、本籍地)が含まれており、戸籍と繋がっています。
戸籍の附票に記載される住所履歴は、その戸籍が編製(作成)されてから以降の住所移転に関するものです。
その戸籍が編製されるより前の住所移転の履歴は表示されません。
ちょっと難しいですが、見本を次でご紹介します。
ここで言う「戸籍」とは、ときどき耳にする「戸籍謄本」とか「戸籍抄本」とかの「戸籍」です。
すみません。そもそも戸籍とか抄本とか、まったくわかりません…
普段利用することが少ないので、わからないですよね。以下の記事でわかりやすく解説しています!
おすすめ戸籍・除籍・改製原戸籍を丁寧に!戸籍には誰が入れるの?
おすすめ戸籍謄本と戸籍抄本の違いは?記載事項の見方も解説!
戸籍の附票の見本
では、戸籍の附票の例を下に示します。
下記の例では、「静岡太郎さんを筆頭者とする戸籍(本籍:△△市〇〇区▢▢町××番地)」に在籍する、本人、花子さん、浜男さんについての住所履歴が表示されています。
例のように、戸籍の附票には、「その戸籍に在籍している間の住所履歴」が記載されるのです。
つまり、例ですと、「本籍地:△△市〇〇区▢▢町××番地、筆頭者:静岡太郎」の戸籍に在籍している間に起こった「住所の移動」に関する情報が記載されるわけです。
引っ越しをたくさんされている方は、上記の「住所」「住所を定めた日」がずらーっと並ぶことになりますね。
このように、「戸籍」と「戸籍の附票」は連動しているということです。そのため、戸籍が除籍となれば、戸籍の附票も除附票となります。
戸籍の附票の写しは、本籍地と筆頭者がわかれば請求できます。これは戸籍謄本を請求する場合と同じですね。
たとえば、音信不通となり、住所がわからない親族を探す場合などに、戸籍の附票が役に立つことがあります。その人の戸籍の情報がわかれば、戸籍の附票を請求し、住所を確認できるためです。
なるほど、戸籍の附票は住所の履歴書、よく理解できました!
戸籍の附票と住民票の違いは?
うん?住所が表示されているのは住民票も同じですよね?何が違うのでしょうか。
戸籍の附票には、住所の移転履歴が表示されていることがわかりました。
しかし、「それだと住民票と何が違うのだろう?」と思われたかもしれません。
簡単にご説明すれば、住民票には今現在の住所が記載されています。あっても1つ前の住所が記載されているくらいです。
しかし、戸籍の附票には、戸籍(本籍)を定めてから以降の、住所の移転の履歴がすべて表示されます。
たとえば、「〇〇市△△町××」を本籍として新しい戸籍が作成された後、その戸籍が除籍となるまでに10回引っ越しして住所が変われば、そのすべての住所の履歴が表示されます。
これが、戸籍の附票と住民票の大きな違いです。
まとめますと、次のことが言えます。
- 現在の住所だけを証明すれば良い
⇒ 住民票 - 何度も住所移転していて、過去の住所履歴も必要
⇒ 戸籍の附票
戸籍の附票を理解したところで、それと連動する戸籍謄本についても基本的なことを知っておきましょう(下記を参照)。
要チェック戸籍と除籍、全部・個人事項証明を易しく!転籍や附票、取り寄せ方まで窓口での請求方法(戸籍の附票の取り寄せ)
それでは、戸籍の附票の取り寄せ方についてご説明します。
ここでは便宜上、浜松市での取り寄せを例にご説明します。
市区町村によって若干の違いはありますが、基本的なところはどこも共通でしょう。
あの、平日役所に行く時間がないのですが…
戸籍の附票は郵送で請求もできます。その場合の方法は以下の記事で説明しています。
請求できる人
戸籍の附票には個人情報が記載されているので、請求できる人に制限があります。
具体的には以下のとおりです(浜松市の場合)。
- 戸籍の附票の写しに記載されている本人
- 同一戸籍の方
- 直系血族の方
請求する方が上記以外の場合には、事前に市区町村役場に問い合わせてください。
このとおり、請求できる人は本人、同じ戸籍にいる家族、近い親族などに限られるのです。
代理の可否
可能(委任状が必要)
提出する書類
まず窓口で提出する書類は次のとおりです。
- 請求書(各窓口備付)
- 委任状(代理の場合)
請求書の名称は、市区町村で様々かと思います。各役所窓口またはHPにて、請求書を入手します。記載例などを見ながら記入します。
代理人が代わって請求する場合には、本人からの委任状が必要です。委任状は役所で様式が用意されている場合、それを使用します。
持ち物
窓口には、以下のものを持参しましょう。
- 請求者の認印(スタンプ式不可)
- 本人確認書類(有効期限内で住所氏名が確認できるもの)
持参物についても、役所にて具体的な指示がある場合もあります。
本人確認書類ですが、運転免許証、住民基本台帳カード(写真つき)、マイナンバーカードなどが該当します。代理人がいる場合は代理人のものが必要です。
手数料
1通につき350円(現金のみ)(浜松市の場合)
※手数料も市区町村によって異なる場合があります
交付されるもの
戸籍の附票の交付請求により、選択により次の書類が発行されます。
- 現在の戸籍の附票の写し(全部・一部)
- 戸籍の附票の除票の写し(全部・一部)
- 改製原の戸籍の附票の写し(全部・一部)
戸籍の附票は戸籍謄本と連動しているとご説明しました。戸籍謄本の仲間に、除籍謄本、改製原戸籍謄本などがあります。
おすすめ戸籍・除籍・改製原戸籍を丁寧に!戸籍には誰が入れるの?注意すること
以下、窓口で請求する際の注意事項を記載します(浜松市の場合)。
- 本籍地が浜松市である戸籍の附票のみ
- 請求する戸籍の附票の写しの「本籍」「筆頭者の氏名・フリガナ」「一部(抄本)のとき必要な人の氏名・フリガナ・生年月日」「特に証明したい事項があれば具体的なこと」が記入できること
- 戸籍の附票の除票の写しと、改製原の戸籍の附票の写しについては、請求する証明書の本籍(町名)を管轄する各区役所にお問い合わせください。
戸籍と同様、戸籍の附票も「本籍地を管轄する市区町村役場」で管理されています。
したがって、自分が本籍を置いている役所でしか請求することができません。
つまり、本籍地がA市の場合、B市で請求することはできません。
受付時間
午前8時30分~午後5時15分(請求先の役所をご確認ください)
休日
土・日曜日、国民の祝日(休日)、12月29日~1月3日(請求先の役所をご確認ください)
受付窓口
窓口をご利用になる場合は、市内に本籍があれば本籍と違う区の窓口もご利用いただけます。
※上記につきまして、浜松市HPを参照しております。実際の請求の際には、請求先のHPをご覧ください。
請求する前に、不明な点については、まずはご自身の居住する市区町村役場のHPでご確認するか、問い合わせてみましょう。
まとめ
戸籍の附票とは何か、住民票との違い、取り寄せ方についてご説明しました。普段あまり耳にしない戸籍の附票ですが、相続手続きや不動産の登記手続きなどで必要となる場合があります。戸籍の附票とはどんなもので、どんな情報が記載されているのかについては、知っておいた方が良いでしょう。
戸籍について、書籍で知りたい、という方は、こんな本もあります(↓)。よければどうぞ。