
離婚届の証人代行サービスで、料金にかなり違いがあるんですけど。心配です。

安すぎると不安になったりしますよね。注意すべき点を解説します。
執筆者
行政書士です。以前は、離婚届、婚姻届の証人代行を業務として引き受けておりました。そのため、業界の知識はかなりあります。(現在は、価格破壊を起こしているので、撤退しました。)
【格安は怖い?】離婚届 / 婚姻届の証人代行サービス【注意すべき3つのポイント】
行政書士である私自身、以前は数多くの証人代行を引き受けてきました(今はやってませんが…)。
そして、ネットを通して数多くの代行サイトの存在を知りました。その中で、注意すべきポイントは以下の3つです。
- 代行業者には守秘義務のない無資格業者がいる
- 行政書士・弁護士でも信頼性が保証されていないことがある
- 格安、最安値を釣り文句とした代行業者(事務所)が存在する
上記3つに注意いただき、証人代行サービスの依頼をするべきと私は考えます。
それでは、より詳しく解説していきます。
① 代行業者には守秘義務のない無資格業者がいる
インターネットで「離婚届 証人 代行」と検索すると、非常に多くの代行業者のサイトが見つかります。

これだけ多いと、どこにお願いしたらよいか困ることでしょう。
ただ、少々恐ろしいこととして、中には守秘義務のない、つまり法律家でない無資格業者(営利業者)が混ざっている点です。

守秘義務がないと、何が問題なのですか?

けっこう大問題です。守秘義務について簡単にご説明します。
守秘義務とは、行政書士や弁護士などの法律家に課せられた、業務で扱った個人情報を外部に漏らさない、秘密を守る義務のことです。法律家でなくなった後でも守秘義務は継続します。
この守秘義務に違反した場合、法律で罰則が設けられています。
単に秘密を漏らさないだけでなく、法律で罰則規定があることが大きなポイントなのです。法律家は倫理観をもって業務にあたります。
ここが、守秘義務のある法律家(行政書士など)と、それ以外の匿名民間サービスとの違いと言えます。
② 行政書士・弁護士でも信頼性が保証されていないことがある

法律家の事務所であれば、どこも完全に信頼できるでしょうか。

そうとも言い切れませんね…
行政書士や弁護士などの専門職の事務所=100%安全と言い切るのが難しい時代になってきています。
その理由が以下のとおりです。
- HPは匿名性が高く、何でも書けてしまう
- 些細なミスから個人情報漏洩の危険がある
事務所の信頼性を伝えるため、ホームページに色々と実績を記載する事務所があります。とはいえ、これって、私達から確認できませんよね。客観的には…
いちいち電話で、「これって本当ですか?証拠書類を見せてください」なんて、できませんから。
また、証人代行は基本的にインターネットで申し込みし、パソコンで個人情報を管理しています(以前は私もそうでした)。
ですがご存知のとおり、大手企業でも頻繁に個人情報の漏えい事件を起こしています。
すべてを「紙」で管理していた昔とは違って、今はコンピューターで管理するので、専門知識が必要なのです。これがない業者だと、個人情報漏洩の危険が大いにあります。
③ 格安、最安値を釣り文句とした証人代行業者が存在する
インターネットで証人代行サイトを検索してみると、ときどき「格安」「最安値」といった釣り文句(宣伝文句)を目にすることがあります。
まるで家電量販店さんみたいですね…
証人代行サービスって、そこそこ時間かかるんですよ。お客様とのメールやり取り、封筒の準備、署名押印、発送作業…

では、どんどん安くなって、どんな問題が起こるのか?
そうですね。作業ミスが発生しやすくなります。
理由は、値段を下げて大量受注し、低価格で短時間にいくつも終わらせなければならないから。人間なので、当然作業ミスが起こりやすくなります。

じゃあ、作業ミスってどんなこと?
証人代行業務の場合、例えば、個人情報の漏えい、メールの誤送信(他のお客様に送ってしまう)、署名押印の不備、書類発送に時間がかかる、連絡が来ない、などでしょうか。
離婚届(婚姻届)の証人代行サービスの判断基準

では、いったいどのような判断基準で事務所を選んだらよいですか?

行政書士である私が考える判断基準は以下のとおりです。
離婚届または婚姻届の証人代行を依頼する事務所の判断基準として、次の点を考慮すると安全です。
- 守秘義務ある法律家(行政書士など)である
- 事務所が現在も営業継続している
- 目に見える活動実績がある
- 事務所の立地場所、サービス内容、料金
基本的には、ここまで解説してきましたとおりです。

守秘義務ある法律家かどうかはどう判断すれば良いですか?

証人代行サービスのHPにおいて、プロフィールや会社情報などを探してみてください。そこに行政書士、弁護士といった資格名があるはずです。そもそもプロフィールがないサイトは要注意です。

現在も営業しているかどうかはどう判断しますか?

問い合わせすれば早いですが、HPの更新状況、ツイッターのお知らせなど確認してみるのも有効です。廃業していなくても、長年活動していない事務所もあるので注意が必要です。

目に見える活動実績はどうやって判断しますか?

基本的にはHPから確認できるはずです。
婚姻届や離婚届は人生のうち何度も提出するものではなく、お客様にとっては重大事項ですよね。そのため、より信頼できる事務所に任せるのが好ましいです。
料金に倍以上の開きがなければ、事務所の信頼性で判断されるのが一番お勧めであると私は提案いたします。
まとめ
以上、証人代行サービスを選ぶ場合の注意ポイント3つと、お勧めの判断基準を解説してきました。
人生の中でそう何度もない大切な届出です。ご依頼は慎重になさっていただければと思います。