人が亡くなったときの葬儀にかかる費用は誰が負担するべきでしょうか。

または受け取った香典は誰のものでしょうか。

今回は、トラブルになりかねない葬儀費用の負担と香典の扱いについてお話したいと思います。

葬儀費用は誰が負担すべき?

葬式でもめることが多いのが、葬儀費用は誰が負担するのかです。

誰が葬儀費用を払うべきかを定めた法律はなく、裁判例もいくつかに見解がわかれています。

つまり、一概に誰が払うべき!と言えないのですね。

具体的には、次の説があります。

  1. 被相続人の遺産から出すという説
  2. 共同相続人の全員で分担すべきという説
  3. 葬儀主催者(喪主)が負担すべきという説
  4. 慣習・条理によって負担を決めるとする説

※被相続人・・・亡くなった人
※共同相続人・・・すべての相続人(被相続人の遺産を共有している人たち)

→ 相続に関する用語の説明

上記のとおり4つの説があるわけですが、相続人間でそれぞれに主張があり争いとなっている場合では、被相続人の遺産から出せばいい!というように当然には決まらないのです。

また、葬儀費用の支出について、被相続人が生前にとくに定めたこともなく、相続人間での合意もとくべつない場合には、儀式を主宰した者(喪主)が負担すべきとした裁判例もあります。

喪主は、自己の責任と計算において、儀式を準備し、手配等して挙行した、というのが理由です。

もちろん遺産分割協議の中で、かかった葬儀費用を遺産から控除し、残額を相続人で分け合う、という方法も可能です。

なお、一番トラブルになりやすいケースは、喪主が勝手に盛大な葬儀を主宰し、多大な費用がかかった場合です。

それを相続人全員で分担するのも、故人の遺産から出すのも、どちらも納得いかない相続人が出てきます。

いずれにしても、喪主は葬儀を計画する段階で、葬儀費用はどうするか、どんな葬儀にするかを他の相続人とよく話し合うことが大切です。

ちなみに、葬儀費用の一部(一般的に5万円程度)を健康保険で支給してくれる制度があります。

受け取ることができるのは、葬儀を行った人のみです。

国民健康保険に加入していた場合には、市区町村役場の窓口に故人の国民健康保険証、葬儀を行った人の認印、振込口座がわかるもの、葬儀を行った人が明記されているもの(会葬礼状など)を持っていきましょう。

職場の健康保険に加入していた場合には、職場に問い合わせましょう。

死後手続き(被相続人が国民健康保険に加入していた場合)にて説明しています。よろしければご覧ください。

香典は誰のもの?

葬式で、弔問に訪れた方からいただく香典は誰が受け取ることができるのか、ということも問題となります。

香典は、亡くなった人の供養および遺族の葬儀費用の一部を負担するための贈与と考えられており、そのお金は葬儀の主催者(喪主)に贈られたものと考えられています。

では、葬儀費用や香典返しに充当しても、なお残額がある場合はどうでしょうか。

実はこの問題についても、葬儀費用の負担と同様に、一定していません。

仮に残金があれば、今後の法事など供養のために残しておく、というのが現実的な方法でしょう。

ちなみに香典をいただいた場合には、念のため、相手の名前、金額などはメモなどに記録しておくとよいでしょう。