人が亡くなった後の手続きとして、死亡届の提出、葬儀(火葬・埋葬)、相続手続きなどを順番に行っていくことになります。
ただ、これらと並行してやらなければならないことは他にもあります。
たとえば、電気・ガス・水道など、故人が契約者であった場合には、契約者の変更手続きや使用中止手続きをする必要があります。
放っておくと、使用者が誰もいないのに基本料金だけとられる・・・なんてことになってしまいますので注意が必要です。
契約者が亡くなった:解約または契約者変更の手続きが必要なもの
故人が契約者となって、以下に示すような設備やサービスを利用していた場合には、故人の死後に解約する、または契約者変更が必要となります。
代表的なものをいくつか示します。参考にしてみてください。
- 電気、ガス、水道
- インターネット(回線、プロバイダ)
- 固定電話
- 携帯電話
- ケーブルテレビ
- NHK受信料
- ヤフー会員
- 動画配信サービス会員
- その他
電気、ガス、水道、電話などは皆さん利用されていると思うので、すぐに思いつくでしょう。
ですが、最近はインターネットの利用やインターネットを介して様々なサービスを受けられるため、何かしらの会員になっており、毎月の利用料金が発生している可能性があります。
たとえば、多くの方が利用しているであろうヤフーオークションですが、これも出品する場合には特別な会員登録が必要で、月額料金が発生します。
さらには、インターネットを介して映画やドラマが閲覧できる動画配信サービスの契約をしている場合もあるでしょう。やはり月額料金が発生していないか確認する必要があります。
同居の親族がおり、継続して使用する場合は契約者の変更で良いでしょう。
しかし、故人は一人暮らしであり、その後誰も使用しない場合には解約手続きを素早く行うべきでしょう。
これが遅れてしまうと、誰も使用していないのに、基本料金だけかかってしまいますので、他の手続きの合間に並行して解約手続きを済ませましょう。
可能であれば、契約者の方が存命のうちに、契約情報を一覧化してもらえると、後々の手続きが円滑になりますね。
インターネットの解約は要注意!
現在はかなり多くの方がインターネットを利用していると思います。
契約時は、業者さんにお願いして設定してもらう方も多いと思います。実際、あまりコンピューターに詳しくない方が一人で設定を行うのはかなり骨の折れる作業です。(私もかなり苦労しました・・・)
注意したいのは、インターネットの解約方法です。
インターネットは、インターネット回線とプロバイダの2つが合わさって、はじめて利用できる仕組みです。難しいですが、そういうものであると思ってください。
つまり、インターネット契約を解約しようと思ったら、回線とプロバイダのそれぞれを解約しなければならないわけです。
インターネット回線とプロバイダの契約形態は以下のとおりです。
- 回線とプロバイダが別々の会社で提供されている
- 回線とプロバイダが同一の会社で一括して提供されている
回線とプロバイダが別々の会社で提供されている場合、各々の解約手続きを行う必要があります。同一の会社で一括して提供されている場合には一括で解約できます。
つまり、亡くなられた方がどのような契約形態であったかを確認しなければなりません。できれば生前に情報の共有ができているのが一番なのですが、そうもいかない場合もありまね。
確認方法としては、故人宛てに届いた料金の請求書をチェックするのが一番でしょう。
もしくは、本人が生前にインターネット関連の契約書などを印刷してファイルに保管していれば、それを確認してみましょう。
支払い方法が口座振替になっていれば、毎月の引き落としの記載から判断する方法もありますね。
お一人で困ってしまったら、わかる範囲で契約先の会社に電話して聞いてみるのも手です。
支払方法の変更を忘れたらどうなる?
ほとんどの場合、利用料金は口座振替などで、銀行口座から引き落としていることが多いでしょう。ただ、契約者が亡くなった後に支払方法を変更せず放置しているとどうなってしまうのでしょうか。
原則、金融機関に口座名義人の死亡が伝わることで、口座は凍結され、利用できなくなります。すると、利用料金の引き落としができなくなり、やがてガスや水道なども利用できなくなりますね。
ただ、当然ではありますが、そうなるまでの基本料金はかかってしまうので、なるべく早めに手続きを行うべきでしょう。
まとめ
契約者が亡くなった後の手続きについてお話してきました。必要に応じて解約、名義変更等を進めましょう。ついつい忘れてしまうと、使用者がいないのに基本料金が発生する、という事態になりますので、注意してくださいね。