父母が離婚した後に、子が生まれてきた場合、子の「親権者」「氏」「戸籍」はどうなるのでしょうか。
そして、それらを変更することは可能なのか・・・
ご説明していきます。
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あとあとお困りにならないよう、ぜひ知っておいていただきたい結婚・離婚、親族に関する記事まとめです。
父母の離婚後に子が生まれるケース
父母の離婚後に子が生まれてきた場合を考えてみましょう。
この場合、以下の3つについて、どのような扱いとなるでしょうか。
- 生まれてくる子の「親権者」
- 生まれてくる子の「氏(姓)」
- 生まれてくる子の入る「戸籍」
もしも離婚をしていなければ、親権者は両親ですし、氏も当然両親の氏ですね。
子が入る戸籍も、父母の婚姻によって編成(作成)された戸籍に入ることになります。
親権とは何か、親権者の権利・義務の詳細はこちらでまとめています。
⇒【親権って何?】親権の喪失、停止、辞任、未成年後見を【易しく】
しかし、両親が離婚してしまっていると、子の親権者が誰で、氏はどうなり、誰の戸籍に入るのか、問題となるわけですね。
① 子の親権者は父?それとも母?
離婚後に子を出産しました。私は子の親権者になれますでしょうか。
離婚後に生まれてきた子の親権者は母親となります。
ただし、子の出生後に、父母の協議によって、親権者を父親に変更することも可能です。
民法 第八百十九条 (中略)3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。
② 子の「氏」はどうなる?
離婚後に子を出産しました。子の氏は、母親である私の氏でしょうか。それとも元夫の氏でしょうか。
離婚後に生まれてきた子の氏は、「離婚の際の父母の氏」になります。
つまり、婚姻によって妻が夫の氏を称していれば、子は夫の氏となります。
上記の場合、離婚によって、妻の氏が婚姻前の氏に戻ると、母親と子で氏が異なることになります。
民法 第七百九十条 嫡出である子は、父母の氏を称する。ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。2 嫡出でない子は、母の氏を称する。
ちなみに、離婚後300日以降に生まれてきた子については、母親の氏を称することになります。
③ 子は父・母どちらの戸籍に入る?
離婚後に生まれた子は私の戸籍に入るのですか?それとも元夫の戸籍に入るのですか?
離婚後に生まれてきた子が入る戸籍についてですが、離婚届が受理されてから何日目に生まれてきたかで扱いが異なります。
- 離婚後300日以内に生まれた
この場合、子は離婚前の夫婦の戸籍に入ることになります。
たとえば、婚姻により妻が夫の氏を名乗っていた場合には、子は夫の戸籍に入ることになります。
- 離婚後300日以降に生まれた
この場合、子は母親の戸籍に入ることになります。
それでは、離婚後300日以内に生まれて、元夫の戸籍に入った子を、母親である私の戸籍に入れることはできますか?
できます。
ですが、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を求める審判を申し立てる必要があります。
子が15歳未満の場合には、子の法定代理人である親権者(母親)が代わりに申立てることになります。ここに父親の同意は必要ありません。
具体的な手続きは裁判所HPでご覧いただけます。
まとめ
離婚後に生まれてきた子の「親権者」「氏」「戸籍」についてご説明しました。少しややこしいところではありますが、あらかじめ知っておくと後で困らずにすみますね。
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