こんにちは。行政書士の大石です。

借金などの負債も、相続人の相続分に応じて当然に承継されることになります。

つまりは、相続分が1/2なら負債も1/2、相続分が1/4なら負債も1/4を相続するわけです。

ですが、場合によっては次のようなことも考えられます。

「長男には土地、家を相続させるから負債は多めに・・・

次男は体が弱いから負債は相続させたくない・・・」

そのため、負債を相続させる割合を指定する遺言書の書き方、文例をご紹介します。

ただし、以降でご説明しますが、この「負債の相続割合の指定」は相続人の間でのみ有効であり、債権者との間では無効です。

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遺言書を作られる方へ

遺言書の書き方にはルールがあります。形式上の不備があった場合、遺言書が無効となるので注意する必要があります。

覚えることはとっても簡単です。

書き始める前に、まずは以下の記事をお読みいただくと安心です。

【生前対策】遺言書の書き方・文例をケース別に解説!(見本あり)

遺言書の文例を以下に記載します。

遺言書

遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。

<特定の負債を相続させる文例>

第〇条

遺言者は、次の債務、費用を長男山田五郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

・遺言者の未払いの公租公課
・遺言者の葬儀、埋葬にかかる費用
・本遺言の執行に関する費用
・その他の遺言者の債務一切

<すべての負債を相続させる文例>

第〇条

遺言者の負債については、すべて長男山田五郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

<負債を相続させたくない文例>

第〇条

遺言者の負債については、三男山田悟(昭和〇年〇月〇日生)には一切相続させない。

平成〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 

上記のとおり、「すべての負債」としても良いですし、特定の負債を書き出して指定しても構いません。

「負債の相続割合の指定」は債権者に対抗できない

遺言書で負債の相続割合を指定できるとお話ししました。

ですがこれは相続人間での決め事です。

相続人同士では有効なのですが、債権者にこれを対抗することはできません

たとえば、被相続人(亡くなられた方)に3人の子がいるとします。

そして、被相続人には3000万円の借金があったとします。

遺言書では、長男にすべての負債を相続させ、次男と三男には負債を相続させないと書かれていたとします。

ですが、これは相続人である3人の間でのみ有効なのです。

債権者(たとえば銀行)はこのような遺言の存在も知らないですし、法定相続分に応じて相続人の3人がそれぞれ1000万円ずつ負債を相続したと考えていることでしょう。

ですので、銀行は、遺言書で負債を相続しないとされた次男や三男にも1000万円ずつ返済の請求ができます。

債権者から返済を請求された次男や三男は拒否することができず、支払うことになります。

ここで仮に次男が1000万円を支払ったとしましょう。

この場合、次男は長男に対して、自らが支払った1000万円の返還を請求できるのです。

負債の相続割合の指定は、相続人の間では有効だからです。

もっと知りたい方へ

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【様々な財産・ケース別】遺言書の文例・サンプル集、書き方(見本付き)