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未成年後見とか、成年後見とかよく聞くのですが、違いは何でしょうか?仕組みを教えてください。

はい、両者は全く異なる制度です。

ここでは、未成年後見と成年後見の違いと、後見人にはなれない人について、ご説明していきます。

 

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「後見」という言葉の意味

まずは「見」という言葉の意味についてご説明しましょう。

辞書で「後見」を調べると、だいたい次のような意味が出てきます。

  • 背後にひかえて世話をすること。またその人。うしろだて。
  • 親代わりに幼い人の面倒を見ること。また、その人。

未成年者や病気をもった人などのサポートをしてあげる人、というイメージで良いでしょう。

そして、「後見」には「未成年後見」と「成年後見」の2つがあります。

それぞれの詳細な違いを以降でお話ししていきます。

未成年後見とは

未成年後見とは、未成年者に親権者(親)がいない場合に行われる後見となります。

たとえば、親権者である両親が交通事故で亡くなったような場合です。

親権者とは、通常は親ですね。養子縁組をしている場合には、養親が親権者となります。

親権者は未成年である子の養育財産管理を行うことになります。

 

しかし、親権者がいない場合や、いても管理権がない場合などには、代わりになる者が必要となります。

そのため、家庭裁判所の審判によって、未成年後見人が選任されることになります。

民法 第八百三十八条 後見は、次に掲げる場合に開始する。
一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。
二 後見開始の審判があったとき。

親権とは何か、親権者の権利・義務、親権のはく奪などの詳細は、こちらでまとめています。

【親権って何?】親権の喪失、停止、辞任、未成年後見を【易しく】

なお、未成年後見開始の手続きについては、裁判所HPでご確認いただけます。

成年後見とは

続いて成年後見についてご説明します。

成年後見というのは、精神上の障害により、判断能力が全くない者について行われる後見をいいます。

精神上の障害というのは、たとえば「認知症」「知的障害」「精神障害」などが含まれます。

家庭裁判所での審判によって、後見は開始します。

後見を受ける者を「成年被後見人」と呼び、後見する者を「成年後見人」と呼びます。

以下に、関連する民法の規定を載せておきます。

(後見開始の審判)
第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
(成年被後見人及び成年後見人)
第八条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。
(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

上記で、「事理を弁識する能力」とは簡単に言えば、物事の判断能力のことをいいます。

成年後見開始の手続きについては、裁判所HPにてご覧いただけます。

未成年後見と成年後見の違い

ご説明してきましたとおり、両者はその目的が異なります。

未成年後見とは、未成年者に対する親権を行う者がいない場合に開始される後見でした。

ですが、成年後見とは、精神病などで判断能力がまったくない者に対して開始する後見でしたね。

 

ここで、契約などの法律行為を行う場合を想定してみましょう。

未成年者は、法定代理人である親権者や未成年後見人が同意をすれば、有効に法律行為を行うことができます。

しかし、判断能力が全くない成年被後見人については、たとえ成年後見人の同意があったとしても、行った法律行為を後で取り消すことができます。

これも、両者の性質の違いによるものです。

判断能力が皆無であるならば、契約などの法律行為を行うことは不可能に近いですからね。

 

ちなみに、未成年者であっても、精神病で判断能力が全くないのであれば、成年後見開始の審判を受け、成年後見人を選任してもらうことも可能ですよ。

後見人の欠格事由

後見人には、誰でもなれるわけではありません。以下に挙げる者は、後見人になることができません。(民法847条)

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
  • 行方の知れない者

「家庭裁判所で免ぜられた法定代理人」としては、例えば、親権喪失の宣告を受けた者は、二度と誰かの後見人になることはできません。

あとは「被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族」ですが、これは被後見人との利害対立が推測されるためです。

まとめ

以上、未成年後見と成年後見の違いをご説明してきました。

両者はまったく異なる制度であることがご理解いただけたかと思います。

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