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妻がいます。私の相続で、遺産はどうなりますか?妻が相続放棄した場合も教えてください。

行政書士 タカ行政書士 タカ

相続人が配偶者だけの場合について、遺産はどうなるかご説明します。

 

この記事でわかること

  1. 相続人が本当に配偶者だけか調べる方法
  2. 配偶者が相続放棄をしたらどうなるか
  3. 配偶者だけに遺産を与えたい場合

 

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法定相続人は本当に配偶者だけ?【調べ方】

ご自分の相続で、相続人は配偶者だけと思っていたら、実は他にもいた、遺産がそちらにも渡ってしまった、というケースをよく見かけます。

あなたの相続人が本当に配偶者だけか、その調べ方をご説明していきます。

基礎:法定相続人は第1順位から第3順位まで

人が亡くなったときに相続人となる方は法律で定められています(法定相続人という)。

そして、被相続人(亡くなられた方)の配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

配偶者以外の相続人には、第1順位から第3順位までの相続順位が決められています。

具体的には次のとおりです。

配偶者
常に相続人になる
第1順位 子、孫など直系卑属
第2順位 父母、祖父母など直系尊属
第3順位 兄弟姉妹、甥姪

 

なお、相続人の遺産の取り分(取得割合)については以下の記事をご覧ください。

相続人は配偶者のみ、と言い切るには?

上に示しました表のとおり、第1順位から第3順位の親族があなたにいない、または既に亡くなっている場合、配偶者だけが相続人であると言えます。

 

相続人の有無は戸籍を確認する

法定相続人となり得る親族がいるかどうかは、被相続人の戸籍謄本を確認します。

ご自分では誰が相続人となるかわかっていても、あなた以外の親族がそれを知っているとは限りません。

さらに相続人には過去に認知した子、養子縁組した相手、前配偶者との子なども含まれます。遺された親族が把握していない相続人が出てくることはよくあるケースです。

このため確実に相続人の有無を判断するために、客観的な資料である戸籍謄本をチェックするのです。

法定相続人が配偶者のみ。遺産はどうなる?

相続が開始すると、被相続人の遺産はすべて相続人へと承継されます。

ここにはプラスとなる財産(不動産や預貯金、有価証券など)、マイナスとなる財産(借金、負債など)があります。

プラスとなる財産、マイナスとなる財産の具体例は「 後悔しない:借金も相続する【借金の調べ方+相続財産の種類】」をご覧ください。

つまり、法定相続人が配偶者のみということは、全ての財産は配偶者が一人で相続するということになります。

 

相続放棄の選択肢

プラスの財産に比べ、マイナスの財産が明らかに多いような場合では、相続放棄という選択肢もあります。

知らないまま相続すると、大変な状況になりかねないので、しっかり理解しておきましょう。

配偶者が相続放棄したら遺産はどうなる?

相続人が配偶者しかいない場合に、配偶者が相続放棄をすると、結果としてあなたの相続人は誰もいない(不存在)という扱いになります。

相続人が誰も存在しない場合、あなたの遺産は最終的に国庫に帰属することになります。つまり国の物となります。

実際には、国庫に帰属する前に、家庭裁判所によって相続財産管理人が選任され、管理人によって被相続人の債権者等に債務を弁済するなど清算を行います(相続財産管理人の選任-裁判所HP)。

また、生前に被相続人と特別の縁故のあった者からの申し立てで、その者への財産分与がなされることもあります(特別縁故者に対する相続財産分与-裁判所HP)。

 

相続人が誰もいないとはいえ、生前の財産を国に与えてしまうのは…という方も少なからずいます。

その場合には、生前に遺言書を作成し、お世話になった人や組織、市区町村などへ財産を寄付する遺言を書くことも可能です。

遺言書の作成ルールについては「正しい遺言書の書き方、加除訂正、封筒の例【見本あり】」にて解説しております。

法定相続人が配偶者のみだと、遺産分割協議は必要?

遺産分割協議とは、相続人たちで集まり、故人の財産(遺産)について、誰が何を、どれだけ相続するかを話し合いで決めることです。

話し合いで定めた事項を遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が署名捺印します。

ですが、法定相続人が配偶者しかいない場合では、一人しかいないので、遺産分割協議はやりません。

相続手続きでは、法定相続人が配偶者一人しかいないことを証明する資料として、戸籍謄本を集め、提出することになります。

行政書士 タカ行政書士 タカ

遺産分割協議は相続人が複数いる場合に行います。

配偶者だけに財産を遺したい場合

配偶者だけに全財産を遺したいけど、戸籍を調べたら、他にも相続人がいたようなケースを考えます。

対応としては、遺言書を作成されるのが最善の方法となります。

他の相続人がいても、配偶者により多くの財産を相続させる旨を遺言書に書いておくのです。

くわしくは以下の記事をご覧ください。