娘に私の預金や貯金を相続させたいのですが、どういった遺言書を作れば良いでしょうか?
今回は預貯金を相続させる遺言書の文例をご紹介します。
あっ、忘れてましたが、そもそも遺言書の書き方のルールを知りません。教えてもらえますか?
はい、確かに遺言書の作成にはルールがあります。不備があると無効になりますので、以下の記事をお時間あるときにご覧くださいね。
預貯金(預金債権・貯金債権)を相続させる遺言書の文例
では実際に遺言書の見本で確認してみましょう。
遺言書の文例を以下に記載します。
遺言書
遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。
第1条
遺言者は、下記の遺言者名義の預貯金を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
1. 〇〇銀行△△支店 普通預金 口座番号××××の全額
2. ゆうちょ銀行 通常貯金 記号〇〇〇〇 番号×××× 口座番号××××の全額
令和〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 ㊞
文例のとおり、銀行預金については銀行名、支店名、預金種別、口座番号を正確に記載します。貯金については、貯金の種別、記号、番号、口座番号を通帳記載のとおり正確に書きましょう。
また、口座残高のいくらを相続させるのか不明なので、「~の全額」とか「~の500万円」などと具体的に記載すると良いです。
見本のとおり、預貯金口座を特定できるだけの情報を遺言書に記載すれば大丈夫です。
不安な方へ:遺言書に書いた「預金・貯金」は引き出しできる?
これまで遺言書の作成支援に携わり、多くのご質問をいただいた中で、次のような質問が多かったです。
遺言書に相続させる預貯金を書いたけれど、私の生前にもう引き出しできないのでしょうか。それだと困るのですが。
まずはご安心を。遺言書に書いた財産が処分できなくなることはありません。その後もご自由にお使いいただけます。
遺言書で相続させる財産を多く記載した場合、まず困るのが、その後に自分で処分できなくなるのでは?ということでしょう。
ですが、たとえ遺言書に様々な財産相続について記載していても、もう処分できなくなることはありません。これまでどおり処分可能です。
このような場合には、処分された財産に関する遺言書の部分(事項)が撤回されたと考えます。
時間の流れにより、当初作成した遺言から財産状況が変化することも当然あります。そのため、遺言は定期的に見直すと良いですね。
遺言書の文例を豊富にご紹介します
この記事でご紹介した他にも、以下のとおり豊富な文例をご用意しております。ぜひご一緒にご覧くださいませ。
※記事へのリンクはこの下にございます。
- 妻に全財産を相続させる(子供のいない夫婦)
- 妻に全財産を相続させる(子供のいる夫婦)
- 相続権のない内縁の妻(夫)に財産を遺す
- 再婚相手の連れ子に財産を遺す
- 子がいるが父母にも財産を遺したい
- 息子の嫁(または娘の婿)に財産を遺す
- 甥、姪に財産を遺す
- 財産を自治体や法人、団体などへ寄付する
- 非嫡出子(婚外子)を認知して財産を相続させる
- 家族の世話を条件として遺産を与える
- ペットの世話を条件として遺産を与える
- 土地、建物及び建物内の全ての財産(家財)を相続させる
- 区分所有建物(分譲マンション)を相続させる
- 借地権を相続させる、または遺贈する
- 農地を相続させる(農業委員会の許可も)
- 預貯金(預金債権、貯金債権)を相続させる
- 株式、投資信託、国債などの有価証券を相続させる
- 自動車を相続させる
- 絵画、書画、骨董品などを相続させる
- 宝石や貴金属などの高価な物品を換金して相続させる
- 子供の相続分に差がある場合の対処
- 借金などの負債を相続させる割合を指定する
- 祭祀主宰者を指定する
- 遺産を与えたくない推定相続人を廃除する
- 予備的遺言を書く(相続人や受遺者の死亡に備える)
- 遺言執行者を指定する
- 未成年後見人、未成年後見監督人を指定する
- 生命保険金の受取人を変更する
上記文例の一覧は、下記の記事にてまとめています。
文例集【遺言書の文例集】ご遺族で争わず、無効にしない書き方・表現リスト要チェック! 相続、遺言の基礎知識まとめ(カテゴリーごとに解説します)
相続、遺言について深く学ばれたい方はぜひご確認ください。