私が所有する株と国債を二男に相続させたいのですが、どう遺言に書けばいいでしょうか。
今回は、株式や国債などの有価証券を相続させる遺言書の書き方をご紹介します。
ところで、遺言書作成のルールも併せて教えてください。
はい。遺言書の作成には決まりがあります。些細な不備で無効になるので、ぜひ以下の記事をご覧ください。
株式や国債、投資信託を相続させる遺言書の書き方
では、実際に遺言書の見本で確認してみましょう。
遺言書の文例を以下に記載します。
遺言書
遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。
<株式を相続させる場合>
第〇条
遺言者は、遺言者が所有する下記の株式を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
〇〇株式会社 500株
株式会社△△ 1000株
預託先 〇〇証券〇〇支店
<投資信託を相続させる場合>
第〇条
遺言者名義の下記の投資信託を長男山田五郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
〇〇ファンド 50000口
償還日 〇年〇月〇日
預託先 〇〇銀行〇〇支店
<国債を相続させる場合>
第〇条
遺言者は、以下の遺言者名義の国債を二男山田次郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
金融機関: 〇〇証券××支店
口座番号: ××××××
名称: 利付国庫債券(変動10年)
記号: 第〇回
発行日: 〇年〇月〇日
金額: ××万円
利率: 〇.〇%
利払日: 毎年6月〇日及び12月〇日
償還日: 〇年〇月〇日
令和〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 ㊞
株式を相続させる場合は、銘柄と株数を書く
株式を相続させる場合には、株式を特定するために、銘柄(株式の名称)と株数(~株)を記載します。預託先があれば、併せて書いておくと親切です。
複数の相続人に相続させる場合、長男に〇株、二男に〇株と株数を指定しても良いですし、割合で相続させることも可能です。たとえば、長男に〇分の1、二男に〇分の1という具合です。
遺言書の作成後に、遺言者自ら株式の売買をする可能性があって、株数が変動するかもしれない場合には、株数を直接指定するより、割合で指定する方が良いでしょう。
投資信託を相続させる場合は、銘柄、口数、償還日を書く
投資信託を相続させる場合には、銘柄(〇〇ファンド)、口数を記載します。また償還日や預託先も一緒に記載しておくと、親切ですし、後の手続きがスムーズに進みます。
国債を相続させる場合は、名称(種類)、発行日、金額等を書く
国債を相続させる場合には、国債が特定できるように、国債の名称(種類)、発行日、金額、利払い日、償還日などを記載します。
預託先(保護預かり先)の金融機関名も記入しておくと親切です。
遺言書の文例を豊富にご紹介します
この記事でご紹介した他にも、以下のとおり豊富な文例をご用意しております。ぜひご一緒にご覧くださいませ。
※記事へのリンクはこの下にございます。
- 妻に全財産を相続させる(子供のいない夫婦)
- 妻に全財産を相続させる(子供のいる夫婦)
- 相続権のない内縁の妻(夫)に財産を遺す
- 再婚相手の連れ子に財産を遺す
- 子がいるが父母にも財産を遺したい
- 息子の嫁(または娘の婿)に財産を遺す
- 甥、姪に財産を遺す
- 財産を自治体や法人、団体などへ寄付する
- 非嫡出子(婚外子)を認知して財産を相続させる
- 家族の世話を条件として遺産を与える
- ペットの世話を条件として遺産を与える
- 土地、建物及び建物内の全ての財産(家財)を相続させる
- 区分所有建物(分譲マンション)を相続させる
- 借地権を相続させる、または遺贈する
- 農地を相続させる(農業委員会の許可も)
- 預貯金(預金債権、貯金債権)を相続させる
- 株式、投資信託、国債などの有価証券を相続させる
- 自動車を相続させる
- 絵画、書画、骨董品などを相続させる
- 宝石や貴金属などの高価な物品を換金して相続させる
- 子供の相続分に差がある場合の対処
- 借金などの負債を相続させる割合を指定する
- 祭祀主宰者を指定する
- 遺産を与えたくない推定相続人を廃除する
- 予備的遺言を書く(相続人や受遺者の死亡に備える)
- 遺言執行者を指定する
- 未成年後見人、未成年後見監督人を指定する
- 生命保険金の受取人を変更する
上記文例の一覧は、下記の記事にてまとめています。
文例集【遺言書の文例集】ご遺族で争わず、無効にしない書き方・表現リスト要チェック! 相続、遺言の基礎知識まとめ(カテゴリーごとに解説します)
相続、遺言について深く学ばれたい方はぜひご確認ください。