世話になった甥、姪に財産を遺したい場合の遺言書の文例をご紹介します。
遺言者にとって第3順位の相続人である兄弟姉妹が存命であれば、その子(遺言者から見た甥、姪)は遺言者の相続人ではありません。(以降でご説明する「代襲相続」に関係する話です。)
そのため、相続人ではない甥、姪に財産を遺したい場合には、遺言書で遺贈をする必要があります。
相続順位と相続分についてはコチラ!
遺言書を作られる方へ
遺言書の書き方にはルールがあります。形式上の不備があった場合、遺言書が無効となるので注意する必要があります。
覚えることはとっても簡単です。
書き始める前に、まずは以下の記事をお読みいただくと安心です。
⇒【生前対策】遺言書の書き方・文例をケース別に解説!(見本あり)
遺言書の文例を以下に記載します。
遺言書
遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。
第1条
遺言者は、下記の遺言者名義の預金債権を遺言者の姪である鈴木花子(平成〇年〇月〇日生)に遺贈する。
みずほ銀行浜松支店 普通預金 口座番号××××
付言
遺言者の姪である鈴木花子は、長い間病弱であった私の療養看護に努めてくれました。感謝の意を込めて、財産を遺贈することにしました。
平成〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 ㊞
上記のとおり、遺言者にとって甥、姪は相続人ではありませんので、財産を与える場合には「遺贈する」と書きます。
相続人ではない者に「財産を相続させる」とは書けないためです。
甥、姪が相続人となる場合(代襲相続のケース)
遺言者の相続人になれるのは、第3順位の相続人である兄弟姉妹までで、その子である甥や姪は本来相続人とはなれません。
ですが、甥や姪が遺言者を相続できる場合があります。
それは、遺言者の相続人である兄弟姉妹が既に亡くなっている場合です。
遺言者の兄弟姉妹は、遺言者にとって第3順位の相続人です。
兄弟姉妹は、遺言者に第1順位の相続人である子がおらず、第2順位の相続人である父母も亡くなっていれば、財産を相続できます。
この場合、相続権のある兄弟姉妹が既に亡くなっていると、その子(遺言者から見た甥、姪)が親を代襲して、遺言者を代わりに相続することができるのです。
親(遺言者の兄弟姉妹)の代わりに遺言者を相続するので、代襲相続というわけです。
おすすめ【イラスト解説】代襲相続とは?起こる範囲と相続分、相続放棄との関係
遺言書の文例を豊富にご紹介します
この記事でご紹介した他にも、以下のとおり豊富な文例をご用意しております。ぜひご一緒にご覧くださいませ。
※記事へのリンクはこの下にございます。
- 妻に全財産を相続させる(子供のいない夫婦)
- 妻に全財産を相続させる(子供のいる夫婦)
- 相続権のない内縁の妻(夫)に財産を遺す
- 再婚相手の連れ子に財産を遺す
- 子がいるが父母にも財産を遺したい
- 息子の嫁(または娘の婿)に財産を遺す
- 甥、姪に財産を遺す
- 財産を自治体や法人、団体などへ寄付する
- 非嫡出子(婚外子)を認知して財産を相続させる
- 家族の世話を条件として遺産を与える
- ペットの世話を条件として遺産を与える
- 土地、建物及び建物内の全ての財産(家財)を相続させる
- 区分所有建物(分譲マンション)を相続させる
- 借地権を相続させる、または遺贈する
- 農地を相続させる(農業委員会の許可も)
- 預貯金(預金債権、貯金債権)を相続させる
- 株式、投資信託、国債などの有価証券を相続させる
- 自動車を相続させる
- 絵画、書画、骨董品などを相続させる
- 宝石や貴金属などの高価な物品を換金して相続させる
- 子供の相続分に差がある場合の対処
- 借金などの負債を相続させる割合を指定する
- 祭祀主宰者を指定する
- 遺産を与えたくない推定相続人を廃除する
- 予備的遺言を書く(相続人や受遺者の死亡に備える)
- 遺言執行者を指定する
- 未成年後見人、未成年後見監督人を指定する
- 生命保険金の受取人を変更する
上記文例の一覧は、下記の記事にてまとめています。
文例集【様々な財産・ケース別】遺言書の文例・サンプル集、書き方(見本付き)要チェック! 相続、遺言の基礎知識まとめ(カテゴリーごとに解説します)
相続、遺言について深く学ばれたい方はぜひご確認ください。