子供が複数いる場合において、遺言書で指定した子供の相続分に差がある場合、子供同士で争いになる場合があります。
たとえば、「どうして兄貴は土地建物を相続できるのに、俺だけ預金500万円だけなんだ!!」
という具合です。
この場合には、どうしてそのような指定にしたのか、付言にその理由を書いておくと良いでしょう。ここではその文例をご紹介します。
遺言書を作られる方へ
遺言書の書き方にはルールがあります。形式上の不備があった場合、遺言書が無効となるので注意する必要があります。
覚えることはとっても簡単です。
書き始める前に、まずは以下の記事をお読みいただくと安心です。
⇒【生前対策】遺言書の書き方・文例をケース別に解説!(見本あり)
遺言書の文例を以下に記載します。
遺言書
遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。
第1条
遺言者は、下記の財産を長男山田五郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
1.土地
所在:浜松市〇区〇〇町
地番:〇〇番〇〇
地目:宅地
地積:〇〇.〇〇平方メートル
2.建物
所在:浜松市〇区〇〇町〇〇番〇〇
家屋番号:〇〇番〇〇
種類:居宅
構造:木造瓦葺2階建
床面積:1階 〇〇.〇〇平方メートル
2階 〇〇.〇〇平方メートル
第2条
遺言者は、下記の遺言者名義の預金債権を二男山田次郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
静岡銀行富塚支店 普通預金 口座番号××××の全額
付言
長年私と同居し、介護をしてくれたので、長男の五郎には土地と自宅を相続させることにしました。
二男の次郎は私の意思を尊重して、遺留分の請求をしないよう望みます。今後も兄弟が仲良く暮らしていくことを望みます。
平成〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 ㊞
相続させる不動産については、不動産の登記事項証明書をご覧の上、記載しましょう。
相続分に差がある場合は付言に理由を書く!
付言に書いた内容は、法的な効力を持ちません。
付言には、家族への感謝や、相続分をそのように指定した理由などを書きます。
上記のとおり、相続人間で、相続分に大きな差がある場合には、なぜそのようにしたのか理由を付言に書いておきましょう。
何の理由もなく差別されてしまうと、相続人も納得がいかないこともあります。
その場合、相続人同士で争いになる可能性があるのです。
無用な争いを生まないためにも、心のこもった遺言書を作成しましょう。
遺言書の文例を豊富にご紹介します
この記事でご紹介した他にも、以下のとおり豊富な文例をご用意しております。ぜひご一緒にご覧くださいませ。
※記事へのリンクはこの下にございます。
- 妻に全財産を相続させる(子供のいない夫婦)
- 妻に全財産を相続させる(子供のいる夫婦)
- 相続権のない内縁の妻(夫)に財産を遺す
- 再婚相手の連れ子に財産を遺す
- 子がいるが父母にも財産を遺したい
- 息子の嫁(または娘の婿)に財産を遺す
- 甥、姪に財産を遺す
- 財産を自治体や法人、団体などへ寄付する
- 非嫡出子(婚外子)を認知して財産を相続させる
- 家族の世話を条件として遺産を与える
- ペットの世話を条件として遺産を与える
- 土地、建物及び建物内の全ての財産(家財)を相続させる
- 区分所有建物(分譲マンション)を相続させる
- 借地権を相続させる、または遺贈する
- 農地を相続させる(農業委員会の許可も)
- 預貯金(預金債権、貯金債権)を相続させる
- 株式、投資信託、国債などの有価証券を相続させる
- 自動車を相続させる
- 絵画、書画、骨董品などを相続させる
- 宝石や貴金属などの高価な物品を換金して相続させる
- 子供の相続分に差がある場合の対処
- 借金などの負債を相続させる割合を指定する
- 祭祀主宰者を指定する
- 遺産を与えたくない推定相続人を廃除する
- 予備的遺言を書く(相続人や受遺者の死亡に備える)
- 遺言執行者を指定する
- 未成年後見人、未成年後見監督人を指定する
- 生命保険金の受取人を変更する
上記文例の一覧は、下記の記事にてまとめています。
文例集【様々な財産・ケース別】遺言書の文例・サンプル集、書き方(見本付き)要チェック! 相続、遺言の基礎知識まとめ(カテゴリーごとに解説します)
相続、遺言について深く学ばれたい方はぜひご確認ください。