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所有する建物と、敷地である土地の借地権を相続させる遺言書の書き方を教えてください。

行政書士 タカ行政書士 タカ

今回は所有する建物と、その敷地である土地の借地権を相続させる遺言書の書き方を解説します。

 

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あと、遺言書の作成ルールがわかりません。こちらも教えてください。

行政書士 タカ行政書士 タカ

はい、遺言書の作成にはルールがあります。些細な不備から無効になるので、ぜひ以下の記事を一度ご覧ください。

おすすめ【生前対策】遺言書の書き方・文例をケース別に解説!(見本あり)

建物と敷地の借地権を相続させる遺言書の書き方

行政書士 タカ行政書士 タカ

実際に遺言書の見本で確認してみましょう。

遺言書の文例を以下に記載します。

遺言書

遺言者 山田太郎は、次の通り遺言する。

第〇条

遺言者は下記の建物及び借地権を妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

1.建物

所在   〇〇市〇区〇〇町〇〇番〇〇
家屋番号 〇〇番〇〇
種類   居宅
構造   木造瓦葺2階建
床面積  1階 XX平方メートル 2階 XX平方メートル

2.上記建物の敷地である下記土地の借地権

敷地   〇〇市〇区〇〇町〇〇番〇〇
地目   宅地
地積   〇〇平方メートル
所有者  鈴木悟(〇〇県〇〇市〇区〇〇町××)
地代   月〇万円

令和〇年〇月〇日
静岡県浜松市〇区〇〇町××
遺言者 山田太郎 

上記は建物および借地権を相続させる場合の文例になります。

相続人以外の第三者に「遺贈」する場合には、上記文例の「相続させる」を「遺贈する」に変更します。

文例のように、借地権については敷地と賃貸人(地主)の氏名、地代などを記載しましょう。

建物については、不動産の登記事項証明書の通りに記載しましょう。

借地権とは?建物と別個で相続させられる?

建物の所有を目的に土地を借りる権利を借地権といいます。土地に設定した地上権や、土地の賃借権がこれにあたります。

敷地上の建物と借地権は常にセットで扱います。両者を分割させて別々の者に相続させたりすることはできません。

借地権の相続に、地主(賃貸人)の承諾は必要?

借地権を遺言で相続させる、または遺贈する場合ですが、果たして地主(賃貸人)の承諾を得る必要はあるのでしょうか。

まず借地権を相続させる場合ですが、こちらは地主の承諾を得る必要はありません。賃貸借契約をした賃借人としての地位が、当然に相続人に承継されるためです。

よって、実際に相続するときに地主の承諾は必要ありませんし、名義書換料もかかりません

借地権を遺贈する場合ですが、こちらは地主の承諾と承諾料(名義書換料)が必要となります。

遺言書で借地権を遺贈する場合には、事前に地主に対して「遺贈する旨」とともに承諾請求をしましょう。内容証明郵便でするのが一般的です。

遺言書の文例を豊富にご紹介します

この記事でご紹介した他にも、以下のとおり豊富な文例をご用意しております。ぜひご一緒にご覧くださいませ。

※記事へのリンクはこの下にございます。

  • 妻に全財産を相続させる(子供のいない夫婦)
  • 妻に全財産を相続させる(子供のいる夫婦)
  • 相続権のない内縁の妻(夫)に財産を遺す
  • 再婚相手の連れ子に財産を遺す
  • 子がいるが父母にも財産を遺したい
  • 息子の嫁(または娘の婿)に財産を遺す
  • 甥、姪に財産を遺す
  • 財産を自治体や法人、団体などへ寄付する
  • 非嫡出子(婚外子)を認知して財産を相続させる
  • 家族の世話を条件として遺産を与える
  • ペットの世話を条件として遺産を与える
  • 土地、建物及び建物内の全ての財産(家財)を相続させる
  • 区分所有建物(分譲マンション)を相続させる
  • 借地権を相続させる、または遺贈する
  • 農地を相続させる(農業委員会の許可も)
  • 預貯金(預金債権、貯金債権)を相続させる
  • 株式、投資信託、国債などの有価証券を相続させる
  • 自動車を相続させる
  • 絵画、書画、骨董品などを相続させる
  • 宝石や貴金属などの高価な物品を換金して相続させる
  • 子供の相続分に差がある場合の対処
  • 借金などの負債を相続させる割合を指定する
  • 祭祀主宰者を指定する
  • 遺産を与えたくない推定相続人を廃除する
  • 予備的遺言を書く(相続人や受遺者の死亡に備える)
  • 遺言執行者を指定する
  • 未成年後見人、未成年後見監督人を指定する
  • 生命保険金の受取人を変更する

上記文例の一覧は、下記の記事にてまとめています。

文例集【遺言書の文例集】ご遺族で争わず、無効にしない書き方・表現リスト

 

要チェック! 相続、遺言の基礎知識まとめ(カテゴリーごとに解説します)

相続、遺言について深く学ばれたい方はぜひご確認ください。