こんにちは。行政書士の大石です。

今や、将来を見据えたり、万が一に備えるために遺言書を作成する人は増加しています。

たとえば自筆証書遺言という種類の遺言は、自分一人で簡単に、かつ無料で作成できるお手軽な遺言です。

ですが、残念なことに、遺言書の形式上の要件を満たさないことで、遺言が無効となってしまう事例が多々起こっているのも事実です。

この記事では、遺言書の作成を専門家(弁護士や司法書士、行政書士など)に依頼することで得られる、5つのメリットについてご紹介していきます。

この記事でわかること
  • 遺言書の作成を専門家に任せるメリット5つ

遺言書の作成を専門家に任せるメリット5つ

遺言書は好きなように作ってよいのではなく、実は厳格なルールが決められています。遺言書の形式上の要件を満たさない場合、遺言が無効となる危険もあるのです。

そこで、遺言書の作成を専門家に依頼することのメリットとして、以下の5点が挙げられます。

  • 法的に有効な遺言書が出来上がる
  • 遺言書の形式上の不備による無効を回避できる
  • 財産目録の作成を依頼できる
  • 相続人の調査を依頼できる
  • 専門家に相談できる

上記メリットについて、具体的に解説していきます。

法的に有効な遺言書が出来上がる

遺言でできること(法的な拘束力が生じるもの)は法律で定められています。

法的な拘束力が生じるということは、遺族などの相続人は、遺言の内容に縛られる(拘束される)ということです。

たとえば、「遺産分割方法の指定」「財産の遺贈」「子の認知」「遺言執行者の選任」などがあります。

遺言でできることが法律で定められているわけですが、逆に法律で定められていないことは、いくら遺言書に書いても法的な効力は発生しません。

具体的に遺言で何ができるのかについては、民法に規定されているわけですが、法律や条文に不慣れな方にとっては、なかなか理解するのが難しいと言えます。

たとえば、次のような遺言を書いても、法的な効力は発生しません。

「私の死後は、子たちは母の面倒をみて、兄弟仲良く暮らしていってください」

上記のような内容は、付言(ふげん)として遺言書に記載することになります。

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遺言書でできること、遺言の効力についてまとめています。よろしければご覧ください。また、付言を書くべきケースについてもどうぞ。

 

専門家に依頼することで、依頼者の意思を反映した、法的な効力のある遺言書を作成することが容易となります。

遺言書の形式上の不備による無効を回避できる

自筆証書遺言秘密証書遺言は自分ひとりで作成できますが、注意しなければならないことがあります。

それは、遺言書の一定の様式に従って作成しなければ、遺言書全体が無効になる危険があるためです。

自筆証書遺言の作成における決まり秘密証書遺言の作成における決まりがそれぞれ異なります。

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お一人で作成される場合には、上記の記事をよくご覧いただき、形式上の不備が一切なくなるようご確認ください。

 

たとえば、自筆証書遺言の場合には、「全文、日付、氏名を自筆し、氏名横に押印」しなければなりません。つまり、ワープロやパソコンで作成すると無効です。

誤記を修正する場合にも、やはり決まりがあります。これを守らないと、修正は無効となり、誤記のものが有効となります。

当ブログでも、遺言書の作成の仕方や訂正の仕方を記事にしていますが、不安な方は、最初から専門家に依頼することをお勧めします。

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公正証書遺言というものがあります。これは、法律の専門家である公証人に作成してもらう遺言です。形式上の不備で無効となる危険がなくなります。

財産目録の作成を依頼できる

遺言書では、基本的に相続人に対する財産の分与(遺産の分割方法の指定)をするのが主となります。

たとえば、「妻の花子には土地と家を、長男の一郎には預金1000万円を相続させる」といった具合にです。

被相続人(亡くなった方)の全財産のすべてを網羅して遺言書に記載されていればよいのですが、たまに記載漏れがあったりします。

そうすると、遺言書から漏れた財産が見つかった場合に、相続人の全員で遺産分割協議をするはめになります。

この遺産分割協議では、各々が主張するのでトラブルが起こりがちです。相続人の数が多い場合にはなおさらです。

そこで、遺言の作成の前に、財産目録を作成しておきます。財産目録とは、自己の有する財産の一覧といえます。

あらかじめ、すべての財産とその評価額を財産目録にまとめておき、遺言書は目録を参照しながら作成するのです。こうすることで、財産の記載漏れが減らせます。

また、財産の評価額がわかるので、相続人に配分する際の参考になります。

この財産目録ですが、作成はなかなか骨の折れる作業です。難しい場合には、専門家に依頼すると良いでしょう。

相続人の調査を依頼できる

遺言書の作成において、もしも自分が亡くなった場合に、誰が相続人となるのか、彼らの相続分はどれくらいかは予め知っておくべきです。

それを知った上で、「〇〇にはもっと多くを相続させてあげたい!」とか、「だれだれは相続人だが、遺産を渡したくない!」とか考えるためです。

そして、この相続人を確定させる作業というのが、かなりの労力を要する作業になります。何故かといいますと、相続人の確定には戸籍に関する知識が必要となるためです。

戸籍謄本を収集するだけでも大変ですが、さらに戸籍の内容を読み解かなくてはならないからです。

途中までは自分でなんとかやってきたが、この戸籍の収集で挫折し、結局は専門家に依頼するというお話もよく聞きます。

やはり、わからないことはお一人で悩まず、専門家に依頼することをおすすめします。もしくは、戸籍については、市区町村役場の窓口に問い合わせるという方法もあります。

専門家に相談できる

これは当然といえば当然なのですが、遺言書の作成を専門家に任せる場合、相続や遺言、遺産分割などについて相談にのってもらうことができます。

遺言を作成する場合には、その方の事情、家庭や親戚の事情をよく考慮した上で、必要な法律の知識をご説明した上で、作成することになります。

つまり、なんとなくや、曖昧な状態で大切な遺言を作成してしまう、ということは回避できるでしょう。

まとめ

遺言書の作成を専門家に依頼すると得られる5つのメリットについてご説明してきました。

もちろんメリットということであって、必ず専門家に依頼しなければならないわけではありませんからね。

当ブログでも、基本的にはご自身で遺言の作成や、戸籍の収集・確認ができるように記事をまとめています。

それらを読んでみても、不明な点がある、またはご自身の状況に一致しておらずわからない、といった場合に初めて専門家に頼る、ということでも問題ないでしょう。

一番大切なことは、あなたの大切な意思表示である遺言書を、よくわからない状態で作成することのないようにしていただきたい、ということです。